ベビーカーの内輪差

好きなことを好きなだけ

「ずっと正月」を観た

先日、遅ればせながらダウ90000の公演「ずっと正月」を配信にて視聴した。

 

普段僕はこのような演劇を観ることはないんだけど、正直めちゃくちゃ面白かった。

 

僕がダウ90000を知ったのは去年のM-1の準々決勝のネタで(おそらく多くの人がそうだと思う)、最初は「変わったことやる人もいるもんだなあ」と思うくらいだった。しかしその直後、TBSラジオの水曜深夜24:00放送「24時のハコ」にダウ90000のハコが決まった。もともとその番組を聴いていたから、その番組でダウ90000のことをちょっと深く知ることになる。

 

ラジオは基本ダウ90000の主宰である蓮見さんがひとりでやっていたのだけれど、にじみ出るラジオ好きがとても好きだった。あと普通に面白かった。さらにそこで漫才ではなくコント(演劇?)が本業だと知り、メンバーも8人もいることを知った。

 

ではコントはどんな感じなのかとYouTubeを見るようになった。

 

これがめちゃくちゃ面白くて、さらにダウ90000に興味を持つきっかけになったと思う。

 

そんな最中、ダウ90000が三回目の本公演を行うということを耳にした。この時僕はダウ90000への関心が最高潮に達していたため、半ば脳死で配信チケットを買った。

 

実際公演は確か2月の始めくらいに行われたんだけど、僕はちょっといろいろと用事が立て込んでいて、結局観たのは3月1日。おっそ。自分でも思う。遅すぎ。でも言わせてほしい。どこがダウ90000に関心があるだよと思うかもしれないけど、めちゃくちゃ楽しみにしてたし、用事が終わってからのご褒美という位置づけだったのだ。

 

そんで視聴してみると、これがまあ面白い。圧巻の100分弱だった。YouTubeの短い5~10分のコントで満足していた自分が恥ずかしいほどだ。

 

具体的に僕が感じたところで言うと、まず脚本がえぐい。今までてんでばらばらだったものや、関係のなさそうなものが一つのものへ向けて収束していく感じ。まさにこれが伏線の回収なのだろう。ただこれ見よがしの「伏線回収してまっせ!」ではないのが上品だった。話の持っていき方に無理やり感がなかったのが要因だろうと思う。

 

あと、しっかり笑えるところが多かったのもめちゃくちゃよかった。この公演のアフタートークも観たのだけれど、どうやらこういう形のライブで拍手笑いが起こるのは珍しいのだそう。でも何回かお客さんが手をたたいて笑っている瞬間があったのはすごい。僕も配信観てる時何回も声を出して笑ったのだけれど、個人的にはヒルクライムのくだりがとても好きだった。

 

それから、これは僕が一番感じていたことであり、Twitter上でも多くの人が感じていたっぽいこと。それは「セットと心情のリンク」である。こういうのはよくある手法なのかもしれないけど、やっぱり感動してしまう。基本舞台はショーケースで動くことはないのだけど、ショーケースの中の小道具などがめまぐるしく変わることで、登場人物の感情とリンクする部分が垣間見えて非常におしゃれな演出になっていた気がする。

 

特に主人公(多分)の大谷翔平の感情はかなり舞台とリンクしていた。こたつにずっと座って「まだ過去の自分から抜け出せない状況」を表現したり、最後にコウモリのシールを剝がすことで「俯瞰で見るのをやめること」を表現したり、言い出したらキリがない。

 

こんな感じで、何が言いたかったかというと、僕が初めて観たダウ90000の公演はめちゃくちゃ面白かったよ、ということである。まあこんなに熱弁していたら伝わるだろう。

 

公演は最終的に考えれば、とてもハートフルで心があったかくなる作品だったと思うけど、根っこにはやっぱり「笑い」がある気がした。それも含めて僕はこの作品が大好きになった。

 

配信が終わる前に最後にもう一回くらい観ようと思う。ちなみに配信は3月6日23:59まで(これ書いてる段階で3月6日0:30)。これでわかってくれたかもしれないけど、僕は紹介する気はさらさらない。「いついつまでなので興味ある人はぜひ!」みたいなのもやらない。この記事は、言うなればただの感想の垂れ流しである。これを見て興味が湧いてしまったそこのお前、残念だったな(そんな人いないと思うけど)。せいぜい次回の公演まで指をくわえて待っているんだな。おそらく次はコントライブで、5月の末にあるらしいぞ。

 

ということで感想は終わり。次も絶対観ようと思う。できれば生で。